「認知症」とひとことで言っても、実はいくつかの種類があることをご存じでしょうか。種類によって症状の出方や接し方のコツが異なります。今回は代表的なアルツハイマー型とレビー小体型を中心に、違いと対応のヒントを分かりやすくお伝えします。
認知症にはいくつかの種類があります
認知症とは、脳の働きが少しずつ低下して、記憶や判断力に支障が出てくる状態のことをいいます。実は認知症は一種類ではなく、原因となる病気によっていくつかのタイプに分かれます。代表的なものは次の通りです。
- アルツハイマー型認知症:もっとも多いタイプで、記憶障害から始まることが特徴です。
- レビー小体型認知症:幻を見たり、体の動きが鈍くなったりするのが特徴です。
- 血管性認知症:脳梗塞や脳出血などが原因で起こります。
- 前頭側頭型認知症:性格や行動の変化が目立つタイプです。
同じ「認知症」でも、種類によってご本人が困っていることが違います。まずは「どのタイプか」を知ることが、適切な対応の第一歩になります。
アルツハイマー型認知症の特徴と対応
アルツハイマー型は、認知症全体の半数以上を占めると言われる、もっとも身近なタイプです。脳に「アミロイドβ」という異常なたんぱく質がたまることで、神経細胞が少しずつ壊れていきます。
主な特徴は、新しいことを覚えられない記憶障害です。「さっき食事をしたことを忘れてしまう」「同じ話を何度も繰り返す」「今日の日付が分からなくなる」といった様子が見られます。症状はゆっくりと進行していくのが一般的です。
対応のポイントは、「忘れてしまうこと」を責めないことです。ご本人は忘れているという自覚がなく、指摘されると不安や混乱につながります。「大丈夫ですよ」とやさしく受け止め、メモやカレンダーを活用して安心できる環境を整えてあげましょう。
レビー小体型認知症の特徴と対応
レビー小体型は、アルツハイマー型に次いで多いとされるタイプです。「レビー小体」という特殊なたんぱく質が脳にたまることで起こります。
大きな特徴は次のような点です。
- 幻視:実際にはいない人や動物、虫などがはっきり見える。
- 調子の波:しっかりしている時とぼんやりしている時の差が大きい。
- 体の動きの低下:手足が震えたり、動きがゆっくりになったりする(パーキンソン症状)。
- 睡眠中の異常:寝ているときに大声で叫んだり、暴れたりする。
対応のコツは、幻視を頭ごなしに否定しないことです。「そんなものいない」と言うと、かえってご本人を不安にさせてしまいます。「そうなんですね、私が確認しますね」と寄り添う姿勢が安心につながります。また、転びやすいので足元の安全にも気を配りましょう。
違いを知ることが「その人らしい暮らし」につながります
アルツハイマー型とレビー小体型では、同じ「認知症」でも困りごとや必要な支えが大きく異なります。記憶を支える工夫が必要なのか、幻視や転倒への配慮が必要なのか——タイプを理解することで、ご本人が安心して過ごせる関わり方が見えてきます。
旭川市でも高齢化が進み、認知症とともに暮らすご家庭が増えています。私たちが運営する住宅型有料老人ホーム「うらら」「セラヴィ豊岡」では、お一人おひとりの認知症のタイプや状態に合わせて、無理のない生活をサポートしています。「うちの家族はどのタイプだろう」と迷ったときも、まずはご相談いただければと思います。
まとめ
認知症は種類によって症状も対応も変わります。正しく知ることは、ご本人を守り、ご家族の負担を減らす大きな力になります。焦らず、その人らしい暮らしを一緒に考えていきましょう。
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